前回の記事で開業資金を「国庫」から借りようと考えて商工会議所に行き、推薦をもらう為に商工会議所と市の商工労務課で指導を受けた話を書いたのですが、そこで茨木市で開業するなら市の助成金制度を考えてみては?とのアドバイスをもらいました。今回は実際に助成金の申請から交付までの詳しい道のりを書こうと思います。ちなみに画像は茨木市のアイドル「茨木童子」です。
そもそも助成金って何?
凄くざっくり説明すると「国や市からもらえる返済不要のお金」です。融資と違うので返済は不要です。助成金の種類や細かい説明はGoogle先生に聞いてください。今回僕は開業する茨木市の創業補助金制度を利用しました(もちろん各都道府県、市町村によって異なるのでご自身のケースにあてて調べてくださいね)
助成金は返済不要で本当にありがたいのですが、申請手続がかなり複雑ですし、あらかじめ助成金の申請スケジュールを3ヶ月位確保していないと難しいと思います。前回の記事でも書きましたが助成金申請代行業者が多いのも納得です。また実際に助成金を貰うのは開業してから数ヶ月後に貰えるので物件の契約料金や工賃、設備費用、店舗内の什器や始めの仕入れ費用、人件費などは当たり前ですが、自分の準備資金でまかなう必要があります。
助成金の申請から交付の流れ
1、事前相談
こんな事業をしようと思ってるんですがどうですかねぇ?と市役所の担当の方と数回面談をします。その際に自分の事業計画をまとめた創業計画書を元に経営アドバイザーの方に指導を貰いながら、いろいろ数字的な事やコンセプト的な事をブラッシュアップしていきます。僕の場合は2週間に1回のペースで合計で4回の面談がありました。
「創業計画書」の内容を簡単に説明すると
- 事業コンセプト
- 商品、サービスの内容
- ターゲット市場
- 販売方法
- セールスポイント
- 自分のプロフィール
- 自身の強み
- 創業の動機
- 創業にあたっての理念・ビジョン
- 外部環境分析
- 開業資金計画
- 売上計画
- 収支計画(見積もり損益計算書)
といった内容です。これを大体A4で20ページ位で作り、面談の度に内容を詰めて行きました。ここで経営アドバイザーの方と市役所の担当の方にOKを貰う事で国庫への推薦状が得やすくなります。
また、事前相談中に創業計画書以外に必要な物や事は
- 物件の賃貸契約書
- 改装工事の詳細な見積もり
- 預金通帳(準備金として半年前の日付で自己資金を用紙しているか)
- 直近の源泉徴収
- 納税証明書や住民票等
等です。事前相談の時点で物件を契約して改装工事の見積もりも必要となります。注意しなければいけない点は事前相談が終わるのに大体2ヶ月位時間が掛かるのでその間の家賃がどうしても無駄になってしまいます。事前相談中に改装すればいいじゃん!と思うかもしれませんが、工事を着工してしまうとその時点で助成金の対象外になるので(茨木市の場合)事前相談はなるべく最短で行う必要があります。
2、商工会議所で推薦状を貰って国庫に借入申請
国庫は借入申込書と面談だけでも申請出来るのですが、推薦状と事前相談で作成した創業計画書を添付して審査と面談をする事で印象が良くなるそうです。僕の場合は国庫の担当の方が最短で審査してくれて1週間程で借入出来ました。通常だと2週間はかかるそうです。
3、助成金の交付申請
国庫からの入金を確認して開業資金の準備が出来た時点で初めて交付申請です。ですがこの段階でもまだ工事は着工出来ません。工事のスケジュールも調整が必要になってきます。職人さんも事情を伝えて着工を遅らせてもらいます。
4、現場確認(工事前)
市の担当者が改装前の物件を確認します。
5、交付決定
ここで助成金の交付が決定されるのですが、僕の場合は事前相談から大体3ヶ月位かかりました。そしていよいよ物件の着工が可能になります。
6、工事完了
大体店舗の改装に1ヶ月位かかりました。
7、現場確認(工事後)
市の担当者が改装後の物件を確認します。
8、補助金額の確定
実際に工事した内容の詳細や領収書等を提出します。
9、店舗オープン
ここまでで初めの事前相談から大体4ヶ月は経過しています。
10、補助金額の交付
オープンして2ヶ月後位に補助金が振り込まれます。忘れたころに振り込こまれるので開業時の厳しい状況ではとってもありがたいです。
と助成金(補助金)の申請から交付までざっと書きましたが、もちろんこの4ヶ月の間に発生する家賃等は払わなければいけません。また申請手続がかなり複雑なので途中で諦める人も多いと聞きました。
助成金を初めから期待してはいけない
僕の素直な感想としては、助成金を貰う事を期待しない方がいいと思います。僕の場合は国庫から融資を受ける過程で助成金の話があったので申請しましたが、スケジュールや物件の場所、工事の期間等、調整しなければいけない事が本当に多くありました。前回の記事でも書きましたが、助成金については始めは無理だと思ってたので期待はしてなかったし、国庫の推薦をもらう為に市の担当の方や経営アドバイザーからの助言を頂くのが目的だったので、結果として助成金もついてきたと思ってます(もちろん最後の方は期待しましたが)
開業準備時はバタバタして忙しいし物件を決めたら1日でも早く営業を開始したいものです。助成金はもらえたらいいなぁ。。。と考える位にして自分の考えがブレないように進めて行くことの方が大切だと思います。助成金を貰う為に開業するワケじゃないので初めから過度の期待はやめましょう。
さて開店に向けての準備資金は整いました。後は物件や工事、設備や機材についてですが、それはまた次回以降の記事で